いつもせかせかして落ち着きがない「せっかち」ですが、血液型(A、B、O、AB型)の違いと結びつけて語られることも多いですが、はたしてどの血液型にせっかちが多いのか?そして、その根拠はどこにあるのか?調べてみました。
せっかちと血液型の関係
血液型について、どのタイプに「せっかち」が多いかは、世間では、以下のようなイメージでの受け止められています。
■せっかちが多い血液型
…B型、AB型
■せっかちが少ない血液型
…A型、O型
ざっくりこういう感じです。
ただし、BとABは同時に「マイペースでのんびりも多い」というイメージを持たれているので、せっかちとのんびりと、両極端のイメージを強く持たれているようなところがあります。
これは、そもそもこの二つの血液型は、性格自体が両極端なイメージや、周囲を振り回すイメージで語られることが多いので、せっかちはせっかちで周囲を振り回すし、のんびりはのんびりで振り回すのがBとABというイメージが持たれているというわけです。
また、O型も少数ですが、「せっかち」と言われることもあるようです。
A型はその点、あまりせっかちキャラには見られないという特徴がありそうです。
なので、それをまとめると、こういう感じになるかと思います。
■せっかちも多いがのんびりも多い血液型
…B型、AB型
■せっかちの印象はないが多少せっかちもいる血液型
…O型
■せっかちが少ない血液型
…A型
その科学的根拠は?
以上が世間での「せっかちと血液型」の大まかな受け止めなのですが、これらはあくまでも、「世間でこのようなイメージで受け止められている」、「このように噂されることが多い」、というだけで、実は科学的な根拠はありません。
そもそもの話、「せっかちと血液型の関連」以前に、「人間の性格と血液型の関連」について科学的根拠が示されていないのです。
せっかちの前に、そもそも「血液型と性格は関連している」ということ自体が科学的に証明されているわけではないのす。
国内の代表的な論文から引用します。
「今回の結果も,血液型と性格との関連を支持するものではなかった。」
「血液型と性格の対応関係を支持する実証的な証拠は得られていない。」
ーー引用元:『血液型性格関連説についての検討』1993年 佐藤達哉 (東京都立大学人文学部)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jssp/8/3/8_KJ00004622755/_article/-char/ja?
「国内外ともに,これまでの心理学の研究では,血液型と性格(パーソナリティ)には関係が見られないことが指摘されてきた。」
「以上の結果から,血液型と性格との間に実質的な関連は存在しないと結論づけられる。」ーー引用元:『血液型と性格の無関連性 ―日本と米国の大規模社会調査を用いた実証的論拠―』 縄田健悟(京都文教大学)2014年
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjpsy/85/2/85_85.13016/_article
このように、性格と血液型がそもそも関係ないので、自動的に「せっかちも血液型とは関係ない」というのが、学術的には正しいということになります。
まとめ 〜じゃあ何がせっかちの原因なのか?〜
では、せっかちの原因はなんなのかというと、これは、ひとえに「これが原因」と言えるほど詳しいことはわかっていないようです。
ただし、大きく分けると「その人の性格」と「その人の育った環境」の掛け合わせで決まっているようです。
この二つのうちでは、どちらかというと「性格」が主たる原因で、それには多少「遺伝」が関係している、ということはそれなりにわかっているようです。
ただし、せっかちであろうがのんびりであろうが、それなりに自分の置かれた環境でせっかちになることはあるようです。
わかりやすい例は、インターネットの通信環境でしょう。
めちゃめちゃサクサク動く高速データ通信に慣れれば、どんな性格の人でも、モタモタした超低速の通信環境ではイライラして、画像の表示や動画の再生をのんびり待っていられなくなります。その環境に慣れれば慣れるほど、低速が辛く感じそうです。
高速通信環境のような素早い環境に慣れれば、誰でもそれだけせっかちになるというわけです。
これは誰も異論はないでしょう。
なので、「育ち」との関係で言えば、のんびりとした田舎のスローライフに慣れ親しんで育つのと、せかせかした都会で育つのとでは、それ相応のせっかち度の違いが出てもおかしくないわけです。
ですが、田舎育ちにはせっかちがいないのかというと、必ずしもそうではないのは、そもそもの性格や遺伝が強く影響するからです。
育った環境の影響もありはしますが、そもそものその人の性格や遺伝の影響のほうが遥かに強いと言われれば、なんとなく納得してしまわないでしょうか。
ということなので、ひとまず「せっかちと血液型」の関係については、「性格と血液型」と同じようなレベルで受け止めて、それよりも性格と環境の影響が強いという認識でいいのではないかと思います。