要注意・せっかちな人がめちゃくちゃ嫌われる言動2選

せっかちな人

このページでは、せっかちな人が嫌われる言動を2つのタイプに分類して紹介し、それぞれの問題点を指摘した上で、改善策を提案します。

まず、結論ですが、せっかちな人の嫌われる言動は以下の2タイプです。

①時間的な感覚の違いで他人を振り回す・迷惑をかけるタイプ
②時間的な感覚のズレにイライラする、暴言を吐く、押し付けるなど素行の悪いタイプ

概ねこの2つです。(両方備わっているタイプもあるでしょう)

それぞれ、心理学的なソースを引用しながら詳しく見てみましょう。

①他人を振り回す・迷惑をかけるタイプ

まず、そもそもせっかちな人の特徴に「時間的切迫感」というものがあります。

これは、先ほど、「時間の感覚が違う」と書きましたが、その心理学的な呼称です。

せっかちな人というのは、この「時間的切迫感」が通常よりも強く、常に時間に追われたような感覚で「早くしなければならない」「急がなければならない」と思っています。

そのように感じて慌てて行動することや、とにかく早いことに価値を置いたり、効率を重視することが当たり前だと感じているのです。

周囲の人たちの感覚がわからないので、周りと感覚がずれていることにも気付きません。

そのため、どんどん自分のペースで物事を進めて、周りに呆れられたり、振り回してしまって、人間関係に問題を抱えることになりやすいわけです。

主にこんな行為ですね。

他人の意見を待たずに決断する
・独断で勝手に決める
・ペースを無視して急かす
・無駄時間・遅延を過度に嫌う
・ミスを連発する など

以下に紹介するのは、「仕事における時間的切迫感」と「職場ストレス・対人関係」との関連を分析した研究の結果になります。

“Supervisory level of executives of a public sector work organization (N = 150) responded to a scale measuring perception of time urgency and challenge in work (PTUCW), and measures of interpersonal relationship, job-person fit, organizational commitment, and locus of control.”

(ある公的機関に所属する監督職の管理者たち(N = 150)が、仕事における時間的切迫感と挑戦の認知(PTUCW)尺度および、対人関係、仕事との適合性、組織へのコミットメント、統制位置の尺度に回答した。)

“Results based on correlational analyses showed that respondents high on PTUCW were low on interpersonal relationship, job-person fit, organizational commitment … The pattern of relationship showed that persons high in PTUCW may not be very desirable inputs for the maintenance of good organizational climate as they lack cordial relationship with coworkers …”

(相関分析の結果、PTUCWが高い(せっかちな)回答者は、対人関係、仕事と自己の適合性、組織へのコミットメントが低い傾向を示した。この関係パターンは、PTUCWが高い人は同僚との友好的な関係性を持ちにくく、良好な組織風土を維持するうえで望ましい構成要素とはなりにくいことを示している。)

出典:「職場関連ストレス:仕事における時間的切迫感と挑戦の認知(PTUCW)との相関」2024年 Sinha, A. K. P.

結果としては、時間的切迫感が高い人ほど、職場の対人関係が悪化し、周囲の人々と折り合いが合いにくくなる傾向が確認されたとのことです。

つまり、時間的切迫感の強い人(せっかちな人)ほど、周囲の人たちに嫌われる結果になりがちだということです。

これは職場に関したことだけではないでしょうね。

②素行の悪いタイプ

次に、そのような「時間的切迫性」がもとで、イライラし、他人にきつく当たったり、自分と同じような時間感覚を強要したり、といった、素行が悪いタイプです。具体的には、

暴言を吐く
あからさまにイライラする
不機嫌になる
高圧的な態度で急かす
早くするように強要する など

これは、とくに説明も必要ないと思いますが、①で説明したように「時間的切迫性」が強く、せっかちな行動をしてしまう人は、周りとのペースの違いにイライラしたり怒ったりしがちなようです。これもやはり複数の心理学の研究によって証明されています。

“Individuals scoring high on trait impatience reported greater daily anger and were rated by peers as more difficult to interact with. Impatience predicted not only self-reported irritability but also observable expressions of frustration in interpersonal settings.”

(せっかち傾向のスコアが高い人は、日常的により多くの怒りを感じ、周囲の人から「付き合いにくい」と評価された。せっかちは、自己報告によるイライラの多さだけでなく、対人場面での苛立ち表現の多さも予測した。)

Schultz, R. M., & Searleman, A. (2002). The impatient personality: Impatience and anger in everyday interactions. Personality and Individual Differences, 32(6), 881–893.

“The Type A pattern is characterized by an excessive competitive drive, a chronic sense of time urgency, and a frequent display of anger and hostility.”

(A型行動パターン(せっかちな性格分類の人々)は、過度な競争心、慢性的な時間的切迫感、そして頻繁な怒りや敵意の表出によって特徴づけられる。)

Friedman, M., & Rosenman, R. H. (1974). Type A behavior and your heart. New York: Knopf.

このような態度で嫌われるパターンも多いですね。

①と②の共通点

では、次に、上記2パターンの共通点についてみてみましょう。

2つのパターンの共通点は、ここまで普通に読めばわかると思いますが、他人への思いやりや、他人の感覚への理解のなさです。

逆に言いますと、せっかちな性格でも周囲の人に嫌われない人は、周りの人への思いやりや理解がある人だと言えます。

せっかちな人が必ず周囲から嫌われるというわけではないのです。

周りの感覚と自分の感覚の違いを理解して、他人の感覚を尊重できる人は、せっかちでも周りから嫌われはしません。

周りの人のことよりも、自分の衝動や自分の勝手な価値観を重視して行動してしまう人が周りに嫌われるというわけです。

嫌われないための対策

ですから、嫌われないようにするためには、他人への思いやりや、他人への理解を持つことなのですが、そのための第一歩になるのは、「自分のせっかちな感覚(時間的切迫感)が周りの感覚とは大きく違うのだ」ということをまず理解することです。

自分の感覚は周囲とは著しく異なるのだ、ということをまずは認識する、というのが、嫌われないための第一歩になるでしょう。

それをまず認識して、そのコントロールに努めることが最大の対策と言えます。

また、それらをコントロールするために、ご自分のせっかちがどんな心理的な作用で起こっているのかを知ることも大事かと思います。

せっかちの心理については、こちらにまとめてありますのでよろしければお読みください。

せっかちの心理を、学術的な観点からわかりやすく解説

また、せっかちのデメリットだけではなく、メリットや強みにフォーカスして、メリットを活用するように考えるのも一つの手です。

メリットの活用についてはこちらにまとめてありますので、よろしければどうぞ。

【科学的根拠あり】せっかちのメリットを最大限引き出す方法

以上、お役に立てば幸いです。

お読みいただきありがとうございました。

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