【科学的根拠あり】仕事ができるせっかちの唯一の条件がこれ

せっかちな人

「せっかち」というと世間一般では「ミスが多い」「失敗が多い」「精度が低い」という印象がありますが、しかし、世の中には仕事ができるせっかちさんもいるものです。

というか、「せっかち」を仕事に活かせると、むしろその人の強みになることが科学的に証明されています。

このページでは、そんな「失敗多発キャラ」と、「しごでき有能キャラ」とを分ける決定的なポイントを、根拠を示してご紹介します。

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失敗多発キャラとしごでき有能キャラを分ける決定的なポイント

結論から言いますと、せっかちが仕事ができる唯一のポイントは「せっかちをコントロールすること」です。

自分のせっかちをコントロールできる人は、(全員とは言えませんが)仕事ができる人である可能性がきわめて高いのです。

逆にいうと、せっかちをコントロールできない人は、せっかちに振り回されて衝動的に行動してしまうので、ミスを多発する可能性が高いということでもあります。

せっかちな人が、その自身のせっかちな性格をコントロールできると、迅速に仕事をこなし、かつ正確でミスも少なく、意思決定や重要な判断も素早く行うことができます。

メールやチャットの返信もいわゆる即レスが可能ですし、スピード感と同時に的確で正確な返答が可能なので、The有能のような印象を与えることも可能なのです。

そのようになるか、ミスを連発するかは、ひとえに「せっかちをコントロールできるかどうか」にかかっているというわけです。

では、その根拠として、2つの科学的な研究を見てみましょう。

時間切迫感と仕事の成果の研究(1995年・アメリカ)

時間切迫感というのは、時間に常に追われている感じがするという、せっかちの代表的な性質の一つで、その科学的な正式名称なのですが、ここでは「せっかちさ」そのものと考えていいと思います。

この研究では、数百人の会社員を対象に、アンケートをたくさん行うことで時間切迫感(せっかちさ)を統計的に測り、その統計から結論を導き出したところ、以下のような結論に達しました。

“The results indicated that time urgency was positively related to job performance when individuals were able to regulate their behavior appropriately. In contrast, individuals high in time urgency but low in behavioral regulation showed poorer performance outcomes. Thus, time urgency per se is not inherently maladaptive; its effects depend on the degree to which individuals can control and channel their urgent tendencies.”

(結果は、時間切迫感が高い人は、行動を適切に調整できる場合には仕事のパフォーマンスが高いことを示した。対照的に、時間切迫感が強いにもかかわらず行動調整が弱い人は、むしろ成果が低かった。したがって、時間切迫感そのものは必ずしも悪いものではなく、その効果は個人がどの程度自分のせっかちさをコントロールし、方向づけられるかに依存する。)

出典: Conte, J. M., Landy, F. J., & Mathieu, J. E. (1995). Time Urgency and Job Performance: Field Evidence of an Interactionist Perspective. Journal of Applied Psychology, 80(1), 130–138.

このように、時間切迫感が強くても、自分の行動を調整できる人は高評価を得たものの、逆に、調整できない人は「せっかちさ」が裏目に出て低評価だった、ーーつまり、「せっかちそのものは悪ではなく、コントロールの有無が成果を左右する」と結論づけたわけです。

これが根拠の一つめです。

衝動性と成果の研究(アメリカ・2014年)

次の研究は、大学生や一般の社会人を対象に、数万人規模で行われた研究です。

衝動性というのも、やはりせっかちの代表的なもののひとつです。何かをしようとするときに、その場で反射的、衝動的に行動に移してしまう性質を言います。

この研究でも多くの質問形式の課題に、対象の人々に答えてもらい、それらの統計と過去の研究によるデータとを照らし合わせて結論を導き出しました。

“Impulsivity is not a unitary construct. Rather, it encompasses multiple distinct dimensions, some of which are positively associated with adaptive outcomes such as quick decision-making and creativity, while others are strongly linked to maladaptive behaviors including errors, risk-taking, and poor planning. This suggests that whether impulsivity contributes to success or failure depends critically on the individual’s ability to regulate and channel impulsive tendencies.”

(衝動性は単一の概念ではない。むしろ複数の側面を含んでおり、その一部は迅速な意思決定や創造性といった適応的成果に正の関係を持つが、他の側面はミスやリスク行動、計画性の欠如といった不適応的行動と強く結びついている。つまり、衝動性が成功に寄与するか失敗につながるかは、個人がどの程度その傾向を調整し活用できるかにかかっている。)

出典: Sharma, L., Markon, K. E., & Clark, L. A. (2014). Toward a theory of distinct types of “impulsive” behaviors: A meta-analysis of self-report and behavioral measures. Psychological Bulletin, 140(2), 374–408.

このように、衝動性には良い側面と悪い側面があり、そのどちらに転ぶかは、自分でその衝動性を調整できるかにかかっているという結論に達しているわけです。

このように、せっかちの代表的な性質である時間切迫感も、衝動性も、ともに「自分でコントロールできれば仕事に活かすことができる」という結論に至っているわけです。

どうすればコントロールできるのか?

では、どうすればせっかちをコントロールして仕事に活かすことができるのでしょうか?

その第一歩は、自分がせっかちを発動して、よく考えず衝動的に行動に移そうとしているときに、そのことに気づくことです。
そして、そこで一旦立ち止まって、本当にそれで良いのか、それがミスにつながらないかどうかをまず1分でも良いので考えることです。

それを習慣化して、必ず1分立ち止まることで、ミスを大幅に減らすことができます。

この方法がおすすめですが、それ以外にもこちらのページで仕事に活かす方法を紹介しているので、よろしければお読みいただければと思います。
せっかちを仕事に活かす「キレる」活用法4選

上記の「1分待つ方法」のほか「衝動をコントロールする方法」「徹底的に「質」にフォーカスして「仕事の質」を向上する方法」などを紹介しています。

また、以下の記事では、もっと科学的根拠のあるせっかち改善方法を紹介していますので是非お読みください。
【科学的根拠あり】せっかちの治し方7選

いずれにしても、せっかちをコントロールすることの重要性はわかっていただけたと思いますので、独自に検索するなり本を読むなりして、是非ご自分のせっかちをコントロールして”しごできキャラ”になってみてください。

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