せっかちな人に疲れた時の6つの対処法

せっかちな人

せっかちな人に振り回されて疲れた時の対処法は、大きく分けて6つの選択肢があります。しかし、その中でも特に効果的で現実的なのは2つだけです。

この記事では、6つの対処法としての選択肢をすべて紹介した上で、なぜ2つの方法がおすすめなのか、そして特に「せっかちを理解する」という選択肢について詳しく解説していきます。

選択肢内容即効性実現可能性おすすめ度
1. 距離を取る物理的・心理的に相手との距離を置く(転職、部署移動、友人関係の整理、別居など)★★★★★★◎最推奨
2. 理解して対応するせっかちな人の心理や行動パターンを理解し、それに合わせた対応を取る★★★★○推奨
3. 相手を改善する直接フィードバックしたり、カウンセリングを勧めたりして相手の行動を変える△非推奨
4. 環境・システムを変える職場のルールやチーム編成の変更、生活パターンの大幅変更など△非推奨
5. 第三者を介入させる共通の上司、友人、カウンセラーなどに仲裁してもらう★★△非推奨
6. 自分のストレス耐性を高めるカウンセリングやストレス管理スキルの習得で自分の対処能力を向上★★△ 非推奨
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せっかちな人に疲れた時の6つの選択肢

せっかちな人との関係で疲れてしまった時、取ることができる選択肢は以下の6つです。

1. とにかく距離を取る

物理的・心理的に相手との距離を置く方法です。

完全に距離をとって関係を終わらせるようなレベルから、徐々に距離をとってフェードアウトしたり、ちょっとだけ距離を取って関係を続けるよう努力したりといった匙加減があるでしょう。

また、家庭での人間関係(親、兄弟、夫婦、子供など)や、職場の人間関係、友人・知人など、関係の質や深さによっても距離の取り方は様々ですが、とにかく共通するのは、その人との関係に一定の見切りをつけて離れることです。

ちなみに、この方法が一番おすすめです。

特に、「疲れ」の度合いがかなり高く、我慢の限界がきていたり、下記に該当するような場合は、迷わず距離を取ることをお勧めします。

・体調に影響が出ている
・仕事のパフォーマンスが落ちている
・常にその人のことを考えてしまう
・他の人間関係にも悪影響が出ている

2. 理解して対応する

次におすすめなのは、せっかちな人の心理や行動パターンを理解し、それに合わせた対応を取る方法です。相手の特性を知ることで、ストレスを軽減しながら関係を維持できます。

この方法は、例えば夫婦や子供、舅・姑、両親、兄弟、職場の人間関係など、距離を取るにも取れない場合や、義絶するにもできない場合に取る選択肢かと思います。

ある意味これが一番現実的といえば現実的なので、二番目の選択肢としておすすめです。

※詳しい対処法は後述します。

3. 相手を改善する

せっかちな人に直接フィードバックしたり、カウンセリングを勧めたりして、相手のせっかちな行動を直接改善する方法です。

ただし、これは相手にそのつもりがない場合は、余計関係が拗れたり、さらにこっちが疲れることになるのでお勧めできません。

選択肢としてはまあそういう選択肢もあるでしょう、という感じです。

これができるのは、相手が悩んでいて相談してきたり、相手自身がせっかちを改善したいという意欲がある場合に限られるかと思います。

4. 環境・システムを変える

職場のルールを変更したり、チーム編成を変えてもらったり、生活パターンを大幅に変更するなど、環境を変えて調整する方法です。

つまり、環境を変えることでその人と距離をとったり、その人が迷惑を撒き散らさないようなシステムに変更してしまうということです。

これは、こちらにそのように環境やシステムを変更する権限があったり、権限がある人にお願いしてやってもらえるような状況にあることが条件になります。

5. 第三者を介入させる

共通の上司、友人、カウンセラーなどに仲裁してもらい、関係の改善を図る方法です。

これもやはり、そういう影響力のある、信頼できる第三者がいる場合に限られます。

また、そのせっかちな人が自ら変わろうという意思がなければやはり反発されたりする可能性もあるので難しいでしょう。

6. 自分のストレス耐性を高める

自分がカウンセリングを受けたり、ストレス管理のスキルを学んだりして、そのせっかちな人への対処能力を自ら向上させる方法です。

これは「2.理解して対応する」と共通する対処法になります。せっかちの性質を理解した上で、さらに自分のストレス耐性を高めると効果的でしょう。

ただしこれは、ご自分に余裕のある場合に限られる対処法でしょう。精神的にも経済的にも余裕が求められるかと思います。

なぜ「距離を取る」と「理解する」がおすすめなのか

6つの選択肢の中で、特に「距離を取る」と「理解する」の2つをおすすめする理由は以下の通りです。

即効性がある

せっかちな人に疲れている状態では、長期的な解決策よりも「今すぐ楽になりたい」というのが本音でしょう。「距離を取る」ことは即座にストレスを軽減でき、「理解する」ことも実践したその日から効果を感じることができる可能性があります。(そんなに簡単ではないですが…)

自分でコントロールできる

他の4つの方法は、相手や環境、周囲の人たちの協力が必要で、思うようにいかない可能性が高いですが、「距離を取る」と「理解する」は、あなた自身の意志で実行できる方法です。(「6. 自分のストレス耐性を高める」も3とセットで行うことができるでしょう。)

現実的で確実

3〜6の方法は、時間がかかる上に成功の保証がありませんし、特に疲れている状態では、複雑な方法を実践するエネルギーも不足しがちです。

そういった意味で、「距離を取る」「理解する」は現実的な方法と言えます。

せっかちな人の心理を理解しよう

というわけで、せっかちな人の「せっかち」を理解し、相手がなぜそういう状態にあるのかを理解することで、ストレスが大幅に軽減される可能性がありますので、せっかちな人の性質を解説してみたいと思います。

せっかちな人の特徴と行動パターン

せっかちな人には次のような共通する特徴があります。

●常に何かをしていないと気が済まない
●常に時間に追われている、焦っている
●待つことが苦手
●思い立ったらすぐに行動しなければ気が済まない
●常に時間を無駄にしたくないと思っている
●話が長いことや回りくどいことが苦手
●完璧主義

つまり、時間に対する感覚が、一般よりも「早い」「短い」傾向にあり、さらに、完璧を追い求めているために、他人に厳しかったり、不寛容だったりするわけです。

なぜせっかちになるのか?根本的な心理を知る

せっかちな行動の原因には、「性格」、「遺伝」、育った「環境」にあります。
そもそも生まれ持った「性格」が一番大きな要因で、それには「遺伝」が多少関係しており、「環境」の要因はそれらについでせっかちに関係しています。

また、その他の心理的な要因としては、「強い不安」があります。「間に合わないのでは?」「うまくいかないのでは?」「自分に成し遂げられるか?」このような不安を解消するために、何事も早く済ませようとするのです。

また、せっかちな人は自己肯定感が低い可能性もあります、「完璧にやらないと他人に勝てない」「急がないと価値がない」という思い込みを抱えています。この思い込みから、必死に頑張ろうとしているのです。つまり、せっかちな人は「悪い人」ではなく、不安が強く、真面目すぎる人なのです。

あなたを疲れさせるのは、そういう傾向のせいなのかもしれません。

せっかちな人も疲れている

せっかちな人は周囲を振り回して平気でいるようなイメージがありますが、実は本人も苦しんでいることが多いです。

たとえのんびりしている時でも「忙しい状態」だと感じており、常に全力で走っているような状態で疲れています。心理的にストレスへの対処が難しく、不眠や頭痛、肩こりなどの身体的不調が現れやすいのも特徴のようです。

上記のような特徴を持って時間に追われていたり、自分の完璧主義に急き立てられているのですから、その人自身が疲れ果てていてもおかしくはないでしょう。

しかも、周りの人間は「せっかちな人と距離を取る」という最終的な選択肢がありますが、本人にはないのですからその苦痛は一般の想像をはるかに超えるものでしょう。

理解に基づく効果的な対応方法

以上のようなせっかちな人を理解したら、以下のような対応が効果的です。

●相手の不安を軽減してあげる
まず、相手の不安を軽減することを心がけましょう。「5分待ってもらえますか?」とはっきり伝えたり、「今日は少し時間がかかります」と事前に伝えたり、「今、半分くらい終わりました」と進捗を報告することで、相手の不安が和らぐ可能性はあります。
これで相手のせっかちが多少なりとも緩和するかもしれません。

●結論や要点を先に伝えてあげる
会話の際のコツは、結論から話し、要点を整理して先に伝えたり、具体的な数字を使うことで相手のイライラを減らせます。
また、その人のせっかちのおかげで何かがうまく行った時に感謝を伝えたり、成果を評価したり、努力を理解していることを示すことで、相手の自己肯定感を高めることができます。

つまり、相手がせっかちになっている要因を、こちらの理解によって緩和してあげることができれば、せっかちも緩和する可能性があるというわけです。

ただし、このような対処法は理想論ですし、もちろん限界があるでしょう。それぞれ個人差があるため実情に合わないこともあるかもしれません。

なので、限界を感じたらすぐに距離を取って、ご自身の身を守ることをお勧めします。

あくまでも、一番お勧めなのは「距離を取ること」になります。

参考文献:『いつもの焦りやイライラがなくなるせっかちさんの本』 杉浦義典 著

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